ユーザーサポートの改善により高評価レビューを獲得した考え方と対応方法

ユーザーサポート

サポート対応後の低評価レビューを防ぎたい

小さな製造メーカーのEC部門およびWeb担当の何でも屋をやっていた時、メールや電話でのユーザーサポート業務も任されていました。

取り扱っていたのは家庭用精密機器で、直販のECサイトから購入したユーザーからの問い合わせがほとんど。

まあ、精密機器なので、普通に使用していても保証期間内にある一定の確率で壊れます。

壊れればお問い合わせフォームのメールや電話でユーザーからの連絡が入ります。
割合としてはメール7割、電話3割ぐらい。

基本的にメールにしても電話にしても、穏やかで丁寧な対応をしてくれる人ばかり。最初からキレている人にも遭遇しましたが極々僅かです。

この時点では穏やかで丁寧な人も「もうこれ以上の損はしたくない。」と思われていることを前提に対応しないと、後々amazonや価格.comのレビューに低評価を投稿されてしまうことになりかねないので要注意。
蓄積した不満を低評価レビューを投稿することで発散したい気持ちはよく分かります。

ユーザーサポート担当になってからしばらくは、保証規定どおりの対応を行っていましたが、あるときサポート対応後に低評価レビューが入りました。

レビュー内容からサポート対応したユーザーの方のレビューだと分かりました。
サポート対応そのものに問題があったとの書き込みはなかったのですが、商品が故障したという低評価レビュー。

実店舗ではなくECサイトまたはamazonや楽天等のモールでの販売が中心の製品を取り扱っている場合、10件の高評価レビューよりも1件の低評価レビューが大きな力を持つことがあります。
低評価のレビューにより、売上が明らかに下がるケースも。

このような低評価レビューはサポート対応の見直しにより、減らすことができる可能性があります。
特にメーカー保証に関する対応に関しては、丁寧に対応することで、サポート対応後に高評価レビューを何度ももらいました。

先ほどの保証規定通りに対応したケースでも、対応を見直すことにより低評価のレビューではなく、高評価のレビューをもらうことができたかもしれません。

メーカー保証に関するユーザーの考え方

メーカー保証期間内の故障は、
「ハズレくじを引かされたー。運が悪かったのはしょうがないけど、これ以上はもう1円も1秒も損したくないよ。」
と思われていると考えて対応することにしました。

メーカー保証は、他のメーカーと比較した際に優位性を示すため等の理由で設ける任意の保証なので、それぞれ内容は異なりますが、ユーザーはどのような保証規定であろうと(ほとんどのユーザーは保証規定の詳細は確認していない)、上記のように思っているとして対応しないと、クレームに火をつけ、やり場のない不満の行き先として低評価の製品レビューを投稿される結果になることが多いです。

まず、メーカー保証に関しては、下記の意味あると捉えている人がほとんど。

「この製品は保証期間内は間違いなく正常に動作する品質であることをお約束します。」

だから「期間内に壊れたらタダで修理しますよ。」って言ってるんでしょ?

精密機器に限らず、プロダクト製品は多かれ少なかれ当たり外れがあることをほとんどの人が分かってくれています。
大部分の人は保証期間内に壊れてしまっても、その段階では「しゃーない。こうゆうこともあるさ。外れくじ引いちゃっただけだよね。」と思ってくれているのです。

ただ、保証期間内に故障した場合、ただでさえ外れくじを引いてしまったと感じている可能性が高いのに、サポート対応時に発生する下記のようなユーザーの負担で、不満がたまっていくのは容易に想像できます。

【メーカー】
保証期間内だから修理は無料で対応します
梱包して故障品を送ってください

【ユーザー】
箱の準備、梱包、発送の送り状の用意と記入、集荷の依頼等々、故障内容メモ書きの用意など

いろいろ面倒で不満が溜まっていく

メーカー保証対応の見直し

メーカー保証期間内の故障については、下記の内容で対応を行いました。

送料をメーカー負担にした

仮に保証規定で送料はユーザ負担と定めていた場合でも、送料はユーザー負担ではなく、必ずメーカー負担の着払いにします。

ここで、保証規定どおり「送料はユーザー負担」としてしまうと「なんだよ。普通に使ってて壊れたくせに、送料も負担するなんて踏んだり蹴ったりだな。」と思われてしまいます。

「神対応」と言われている任天堂は保証期間内の送料は着払いです。

保証期間内の修理品の発送に限り、下記の着払い宅配便をご利用いただけます。
(保証書の同封をお願いいたします)
任天堂 【修理】修理品の送料を知りたい

PC周辺機器メーカーのバッファローは送料元払いのユーザー負担です。

お送り頂く際の送料はお客様のご負担でお願い致します。
返送の際は弊社負担でご返送します。
バッファロー 修理についてよくあるご質問

「低価格の良い商品を提供している」というイメージがついている企業なら、「うちは低価格で勝負している!!だから故障時の送料はユーザー負担」というのも経営判断だと思います。

保証規定とは異なることになりますが、保証期間内での故障にかかる送料はメーカーが負担すべきだと判断し、対応内容を変更することにしました。

ユーザー負担の軽減

1秒たりとも損をしたくないと考えているはずなので、極力ユーザの作業を減らす努力を行います。
例えば、電梱包資材が無い場合は、梱包資材を手配し、修理窓口宛ての記入済み着払い伝票を同梱しておくなど、可能な限りユーザーに作業負担がかからないように対応します。

対応作業や時間に関する負担に対するお詫び

迅速な無償修理対応は当然として、保証期間内のトラブルに関しては、電話やメールの連絡にかかる手間、受取や発送手配、梱包作業、交換用部品を送った場合などは交換作業など、対応してもらった手間に相当するお詫びをします。

この時の考え方は下記の通りです。

「故障が起きてしまったことによる発生したユーザの負担」=<「お詫びの気持ちの表現」

ユーザーから見て「保証期間内は間違いなく正常に動作する品質」と考えているものが壊れてしまったのです。
従って、故障によって発生した問い合せ対応や発送受取等々の対応にかかる負担は代償してあげたいという気持ちを表現することが重要です。

お詫びのお手紙だけの対応とさせてもらうケースもありますが、状況に応じてお詫びの品を同梱して修理品を返送するようにしました。

お詫びの品は、金銭的に「故障が起きてしまったことによる発生したユーザの負担」=<「お詫び」である必要はありません。

気持ちを表すものですので、修理した商品と一緒に使うと便利なものなどを考えて用意しておきます。

ユーザーが「余計な手間を取らせやがって」と思っていることを想像し、負担してもらった手間に相当する気持ちの部分も合わせて丁度良いお詫びの品を用意する必要があります。

具体的には故障品のオプション品や消耗品、amazonなどでよく一緒に購入されている商品を確認して、その同等物などをお詫びの品として同梱しました。どれも決して高価なものではなく数百円で用意できるものです。

故障にかかる対応により、ユーザーにどのような手間がかかるか想像して対応することが非常に重要です。

なお、ユーザーから「新品と交換しろ」「(お詫びの品の要求にとれるような)誠意を示せ」等、ユーザーから要求してくるような場合は丁重にお断りします。

まとめ

サポート対応内容を上記内容で徹底するようになってからは、サポート対応に関するブログの投稿や高評価のレビューが入るようになりました。

「最もよい広告は満足した顧客である」と偉い人が言っていたような気がします。

小さな製造メーカーで製品の種類とユーザーからの故障対応の絶対数が少ないから対応できた方法だとは思いますが、予算的に許されるならば、サポート対応の改善は、広告や値引きを行うよりも有効な広告宣伝活動の一つになり得るので、参考になればと。